家庭の中での金融リテラシー

子どもたちが生きていく力を身に付けるために、どこの家庭でもさまざまな教育を与えていることでしょう。
その中に、お金についての教育はどれほど含まれているでしょうか?
消費する立場からの金銭教育だけではなく、働いて稼ぐ立場からお金とどう付き合うか、という視点も大切です。
将来長く働いて生きていく子どもたちがどうやって職業を選ぶのか、そこに親たちはどう関わっていけるのかと考えると、必要なのは金融の知識というよりも、経済についての幅広い関心ではないでしょうか。
そうした観点から、特に多くの家庭で教育の要となる母親たちに、もっと経済の話題に触れる機会や経済について語り合う場が必要です。
それは子どもたちのためだけではなく、経済・社会全体の利益にもなるはすなのです。

お金を巡る備理観

オレオレ詐欺の容疑者が連行されるニュース映像に映っていた容疑者は、20代後半くらいに見えるごく普通の若者たちでした。
取り立てて不良らしくもない、おとなしそうな、どこにでもいる普通の若者です。
オレオレ詐欺を働くには、凶器も暴力も必要なく、オフィスで働くように、事務机で電話をかけながら、やっていることは立派な犯罪だったのです。
連行された彼らに、それが犯罪であるという十分な認識はなく、軽い気持ちで、気が付いたら犯罪に手を染めていた、そんな感じだったのかもしれません。
想像してみて下さい。
自分の子どもがそんなことになったりしたら……とても恐ろしいことではありませんか。
「お金についてきちんと子どもに教えなければ」と強く感じるのではないでしょうか。
金融リテラシーにおいて、何よりも大事なのは、お金に関わる倫理なのです。
消費者としての関わり方だけではなく、働いて稼ぐ立場としてお金とどう付き合っていくのか、そこにはしっかりした倫理観が必要です。
それは働き方、職業意識の問題そのものにも通じます。
よほど裕福でない限り、子どもたちは皆、働いて収入を得て生計を立てていくのですから、「生きる力」の一部として、お金をどう稼ぐかについてしっかりとした考え方を身に付けさせることは、大切なことです。
普段、子どものためのお金の教育といえば、「お金の使い方を教えることj、具体的には「お小遣い帳のつけ方」、といったことでしょう。
それはもちろん大切です。
しかし、子どもの成長に合わせてもっといろいろな角度から考えさせることも必要です。
お金を稼ぐ行為に一番必要なものは「信用」であること、そのためには「誠実」であらねばならないこと、信用を積み上げるのは大変でも壊すのはたやすいこと、そうしたお金を巡る深い考察も、子どもが育つにつれて教えられるようでありたいものです。

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